ピロリ菌検査・除去について
ピロリ菌とは
ピロリ菌に感染するとどうなるのでしょうか?
「ピロリ菌」という言葉を、耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか?
ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ菌)とは、胃の粘膜に生息する細菌で、胃・十二指腸潰瘍の発生に深く関わっているとされています。
胃・十二指腸潰瘍でお困りの方のうち、90%程度の方がピロリ菌に感染しているとされています。
また、ピロリ菌に持続感染することで、萎縮性胃炎(慢性的な胃炎により胃の粘膜が委縮してしまった状態)となり、胃がんリスクが高まると考えられています。
どうしてピロリ菌に感染するのでしょうか?
ピロリ菌の感染経路ははっきりわかっていませんが、飲み水や食事などを介した経口感染が主な経路だと考えられています。
そのため、衛生環境がしっかりと整っていなかった時代や地域で生まれた方などは、ピロリ菌に感染している割合が高いとされています。
胃カメラ検査と一緒にピロリ菌検査が受けられます
胃カメラ検査と一緒に、ピロリ菌検査が受けられます。
ピロリ菌検査が陽性で、内視鏡検査により胃・十二指腸潰瘍、慢性胃炎と診断された場合には、保険適用で2回まで除菌治療が受けられます。
なお、1回目の除菌治療の成功率は98%程度で、2回目の除菌治療を含めると成功率は99%程度と、ほとんどの方は保険適用内で除菌に成功されています。
こんな方にピロリ菌検査はおすすめです
- 胃の調子が悪い方
- 食後、胃がむかむかする方
- 「胃が弱い」とお悩みの方
- 慢性胃炎でお困りの方
- 胃・十二指腸潰瘍の再発を繰り返す方
- 将来、胃がんにならないか心配な方
など
「胃の調子が悪い…」という方は、一度検査を受けてみましょう
ピロリ菌に感染すると、胃の粘膜が薄く萎縮した状態になり、胃酸などの刺激を強く受けることになります。
これにより、胃痛、胃もたれなどの症状が現れることになります。
「最近、胃の調子が悪い」「胃がむかむかする」などのことでお悩みでしたら、一度ピロリ菌検査を受けられることをおすすめします。
ピロリ菌に感染すると胃がんリスクが5倍!?
ピロリ菌に持続感染すると、慢性的な胃炎により胃の粘膜が委縮してしまう「萎縮性胃炎」になる場合があり、これは胃がんリスクを高めることがわかっています。
ピロリ菌に感染している方と、そうでない方の胃がんリスクは5倍と言われていますので、胃がん予防のためにも慢性胃炎などの症状がある方は、一度検査を受けて除菌されることをおすすめします。
ピロリ菌の検査方法
ピロリ菌の検査方法には、胃カメラ検査を必要とするものと、必要としないものがあります。
胃カメラ検査を必要とする検査
迅速ウレアーゼ試験
ピロリ菌の持つウレアーゼ活性を利用して、アンモニアの有無を確認します。
鏡検法
採取した胃の粘膜を顕微鏡で観察して、ピロリ菌がいるかどうかを調べます。
培養法
採取した胃の粘膜を培養して、ピロリ菌がいるかどうかを調べます。
胃カメラ検査を必要としない検査
尿素呼気試験
診断薬を飲む前、飲んだ後の呼気を採取して、ピロリ菌感染の有無を確認します。
抗体測定
血液や尿からピロリ菌の抗体の有無を確認します。
糞便中抗原測定
便中からピロリ菌抗原を見つけます。
ピロリ菌除菌の流れ
1. 検査
主に「迅速ウレアーゼ試験」を行って、ピロリ菌感染を確認します。
2. 除菌開始
ピロリ菌感染が確認されたら、除菌治療を開始します。
2種類の抗菌薬と酸分泌抑制薬を朝食後と夕食後に1日2回服用します。
服用は1週間続けます。
3. 再検査
ピロリ菌除菌が成功したかどうか確認するために、服用終了後、2ヶ月後程度に「尿素呼気試験」を行います。
除菌が確認できたら、治療は終了となります。
4. 2回目の除菌
1回目の治療で除菌できなかった場合には、再度除菌治療を行います。
ピロリ菌除菌は、2回目まで保険適用で受けられます(3回目以降は自費診療)。
5. 再検査
ピロリ菌除菌が成功したかどうか確認するために、服用終了後、2ヶ月後程度に「尿素呼気試験」を行います。
除菌が確認できたら、治療は終了となります。
2回目までの除菌成功率は99%で、ほとんどの方が保険適用で除菌に成功されています。
ピロリ菌除菌中の注意
朝晩きちんとお薬を服用してください
ピロリ菌除菌のためのお薬を服用している間は、飲酒はお控えください。
また、服用を開始したら、必ず朝晩忘れずに飲むようにしてください。
服用をスキップしてしまうと、十分な効果が得られない場合がありますのでご注意ください。